前々から行きたいと思いつつも日程がなかなか合わなくて行けなかったDialog in the Dark(ダイアログ・イン・ザ・ダーク)に、ようやく昨日行ってきた。

1989年にドイツで、哲学博士アンドレアス・ハイネッケの発案によって生まれたというこのイベント。
真っ暗闇の世界を1人のアテンド(視覚障害者の方)と少人数のグループで進んでいく。
各々、白杖と呼ばれる、視覚障害者が持つ杖を持って進んでいくのだけれど、当然ながら私が使うのは初めて。
あれはあんなに頼りになる棒だったとは・・・というくらい、ほんとに真っ暗。
既に体験した知人から「ひとまず1人で参加してみたらいいと思う」という助言をうけ、私は1人で参加。グループには1組のご夫妻と、私と同じく1人で参加されている男性2人、実際に視覚障害者である女性1人、という男女3人ずつ6人グループで体験したわけだけれども、初対面の人、それも名前すら知らない人と真っ暗な中を進んでいったあの時間は、想像していた以上の新鮮な体験。
暗闇の中では、声の掛け合いなしでは進めないのでね。手で触って感じる感触と耳から聞こえる声を頼りに、今どこにいるのか、どちらへ進めばよいのかを探っていくわけで。
だんだん、耳が敏感になってきて、
だんだん、顔はわからない人の声と名前が一致してきて、
だんだん、お互い声の掛け合い方になれてきて
だんだん、何をどう伝えれば暗闇の中で自分の位置と自分がどこにいるのかを伝えられるようになってきて。
最初は「えっ、これ、どう言えばいいんだ?えーっとえーっと・・・」という台詞が飛び交っていたのが印象強い。
暗闇の中でお茶の葉の匂いを嗅いだときに、やたらとホッとしたのが印象強い。
とにかく、ひとつひとつが印象強い。
多分あの暗闇の中で触っていたのは、普段の生活の中にあるごく普通の物のはずなんですけどねぇ。
最後に、グループの女性が
「私たちが今ぐるっと回ってきた場所とか物とかが実際はどうなっているのか、っていうのは見せてもらえないんですか」と
質問。
アテンドをしてくれた暗闇のエキスパート(視覚障害者のガイドさん)がひとこと
「それをしてしまうと、みんな想像することを止めてしまうのでやらないんです」。
なるほどね。そうだね。
想像しまくったな。たしかに。
「これ、なんでこんな形してんだろう」とか「なんでこんなとこにこんな物が・・・」とか「これ何の音?」とか、考える機会ってあんまりない。いや、普段から気づけばいいんだけれども、私達は気にもとめないことの方がおおいので。きっと。
外苑西通り沿い
良かれと思っての言動って実は他人を戸惑わせたり、逆に変な気を使わせたりするもんだ、ということも改めて実感できる気がする。
帰りに新宿に寄って帰ってきたんだけれど、なんか不思議な感覚で歩いてきた。
「ざわざわ」騒がしいのって、「ざわざわ」とか言ってっけど、人の声と足音と駅の改札の音とピンコ~ンっていう料金たりてねーぜ!警告音と駅地下ショップの店員さんの声とキャリーケースガラガラ引っ張ってる音と、、が全部混ざって「ざわざわ」なのねぇ。。
ってな具合に、5感が研ぎ澄まされるわけでして。
世界25か国・約100都市で開催され、2009年現在では600万人以上がこのイベントを体験しているんだとか。
今回、私は1人で行ってみたけれど、今度は友人・知人と一緒に行って見ようかと思う。
普段、
「これ、あれだよね。そうそう、それ。」という、あれあれこれこれそれそれがクセになってる人に体験してほしいなぁ。
SNSとかTwitterとかメッセとか携帯で会話をすることが当たり前になってる人にも体験してほしい。
ネットツール以外で会話をすることが苦手な人とか、グループでもの作ってる人。デザイナーの人とかWEBディレクターの人とか・・・
ひとまず行っちゃってこい!と言いたい。
今回、七夕が近いというとこで、暗闇の中で短冊にお願い事かいてみたんだけれどもねぇ。後で明るいところで見たらヒドいことになってたさ。いかに普段、目で見えるものだけに頼ってるか。。。と。
Dialog in the Dark 公式ページ